こんにちは、先日中小企業診断士試験を受け、合格通知をもらったばかりの岩間創作室です。自分自身が士業になるにあたり、色々と士業について感じたことがあり、今回この記事を書いています。
さて、税理士や弁護士、行政書士など、士業として活動されている方々に質問です。
自分の得意分野や専門性が、顧客にしっかり伝わっているでしょうか?
筆者は中小企業診断士試験を通じて、士業の専門性に関する課題を改めて感じました。診断士試験の学習をする中で、またこの資格についてまだよく知らなかったときと現在の「中小企業診断士」に対する印象を考える中で、顧客目線では「◯◯士」とひとくくりにされてしまいがちであると気づきました。
たとえば、税理士には特定の業種を得意とする事務所もあれば、M&Aや事業承継など特定分野に強みを持つ税理士もいます。しかし、こうした専門性は十分に外部へ伝えられていないため、顧客からは「税理士ならどれも同じ」と横並びに見られてしまう現実があります。そして、ただ価格で比べられてしまう。
本記事では、こうした「士業の差別化」の必要性と、それを実現するためのブランディング方法を書いていきたいと思います。弊事業所はWeb施策の事業所なので、専門家としてオンライン上での訴求、MEO対策やホームページといった実践的な手法を解説していきます。
士業の現状:顧客にとっての「横並び問題」
士業にとって最大の課題の一つが、専門性や得意分野が顧客に伝わっていないことです。
たとえば税理士の場合、依頼する顧客側のイメージは「帳簿を見て確定申告や税務を手伝ってくれる人」という程度で終わってしまうことが多いです。
しかし、実際の税理士業務は幅広く、大企業向け税務対策・個人事業主向けの会計と税務支援M&A・事業承継……というように専門性が分かれています。
これらの分野はそれぞれに高度な専門知識を必要とするため、同じ「税理士」という資格でも対応できる内容が異なります。しかし、多くの税理士は差別化・ブランディングをうまく行っていないがために「税務全般ができる」と顧客側に見えてしまい、顧客は専門性を理解できないまま選ぶことになります。
なぜ士業は横並びに見えてしまうのか
この「横並び状態」が発生する原因には、次のような背景があると考えられます。
- 顧客目線の情報発信が不足している
専門用語ばかりで何を得意としているのかが伝わりにくい - 地域特化や分野特化の戦略が欠けている
誰にどんなサービスを提供したいのかが曖昧になってしまっている - オンラインで発信しきれていない
SNSやホームページでの自己発信が不足している
このような状況を打破するために、まずは自身の専門分野を洗い出し、顧客ターゲットを明確化します。そして、地域特化型のブランディングも行い、自分の得意分野を顧客に明確に伝えていく必要があるのです。
次章では、ブランディングを成功させるための具体的な方法について解説します。特に、MEO対策やホームページでの訴求に焦点を当てていきます。
士業の差別化を実現するためのブランディング方法
士業のみなさん、得意分野でこそ顧客を助けることができると思いませんか?
そのためには、自分の専門性や強みを顧客に効果的に伝えるブランディングが重要です。具体的な方法として、ここでは「MEO対策」と「ホームページでの訴求」の2つを解説します。
1. MEO対策で地域密着型のアピールを強化する
MEO(マップエンジン最適化)は、Googleマップでの検索結果において上位に表示されるようにする対策です。特に地域密着型で活動している士業には、MEO対策が非常に有効です。
※基本的には物理的な看板があり、顧客が訪問できる設備があれば登録可能
たとえば、顧客が「旭川 税理士」といった地域名を含むキーワードで検索した場合、MEO対策が適切に行われていれば、Googleマップで上位に表示され、見込み客が直接お問い合わせにつながる可能性が高まります。
MEO対策の基本ポイント
- Googleビジネスプロフィールを充実させる
業務内容、得意分野、サービスエリアを明記し、最新情報を随時更新します。また、顧客が安心できるよう、事務所の外観や内観写真を掲載します。 - レビューを集める
実際にサービスを利用した顧客からのポジティブなレビューは、信頼感を高めます。レビュー依頼の際は「具体的なサービス内容を書いていただけると助かります」とお願いすることで、より説得力のある内容が集まりやすくなります。 - 定期的に投稿を更新する
Googleビジネスプロフィールには投稿機能があります。税制改正に関する豆知識やセミナー情報などを定期的に発信し、顧客との接点を増やしましょう。
2. ホームページで専門性を訴求する
ホームページは、士業の専門性やブランディングを効果的に伝える最強のツールであり、オンライン集客の中心となる存在です。
ただし、ただ情報を羅列するだけでは顧客に響きません。
次のポイントを意識して作り込むことが重要です。
① 明確なターゲット設定とコンテンツ作成
自分の得意分野やターゲット層に応じた発信内容を用意します。
たとえば、個人事業主をメインターゲットにする場合は、以下のような発信が有効です。
- 「個人事業主のための確定申告ガイド」
- 「青色申告を簡単にするポイント5選」
一方、中小企業向けのサービスを展開する場合は、事業承継や節税に関する記事を用意することで、専門性をアピールできます。
② 実績や事例をビジュアル化
文字情報だけでなく、図や写真、動画を活用して視覚的に訴求することで、顧客の印象に残りやすくなります。例えば、以下のような情報を掲載すると効果的です。
- 顧客の課題に対する解決事例
- サービスの流れを説明した簡潔な動画
- セミナーや講演の写真
③ CTA(Call to Action)の設置
「無料相談はこちら」「初回30分無料カウンセリング」といった具体的な行動を促すボタンを、各ページに設置することも重要です。これにより、顧客がスムーズに問い合わせや相談を行えるようになります。
士業がブランディングで得られるメリット
士業が効果的なブランディングを行うことで得られるメリットは多岐にわたります。
ここでは、特に顕著な3つを紹介します。
1. 顧客の信頼と選ばれる理由を獲得できる
専門性を明確にアピールすることで、顧客から「この人なら自分の課題を解決してくれそうだ」と思ってもらえます。特にMEO対策やホームページでの発信が充実していれば、第一印象での信頼感が高まります。
2. 自分がやりたい仕事に集中できる
ブランディングを通じて、自分の得意分野ややりたいことを顧客に伝えることで、その分野の仕事を依頼される機会が増えます。結果として、士業としての充実感やモチベーションの向上にもつながります。
3. 価格競争に巻き込まれにくくなる
「他の士業と何が違うのか」が明確であれば、価格だけで選ばれるリスクを軽減できます。顧客は専門性に価値を見出し、適正な報酬を支払う意識を持ちやすくなります。
まとめ:自分が何をしているか積極的に伝えていく
士業としての差別化は、まずは自身が何を打ち出していくのかを決定することから始まります。そして、顧客に自分の専門性や強みをしっかりと伝えていきます。
士業という横並びに見られやすい職種では、ブランディングの重要性がより一層高まります。
MEO対策やホームページでの訴求を取り入れることで、自分が得意とする分野に特化し、来てほしい顧客層に選ばれる士業へと進化できるはずです。
この記事が、士業の皆様が新たな一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。